エルメスにバーキンを作らせた籐のかごの冒険ジェーンとバスケットのバッグの物語

目次
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Birkin

1981年のパリからロンドンへの旅

飛行機の機内での出来事だ

その日僕にとって忘れることのできないことを経験した

僕の持ち主はジェーンそうあのジェーン・バーキンだ

イギリス生まれの歌手で今はパリに住んでいて

時たまイギリスに帰るッて感じ

時間にうとい僕は今日が1980年代のいつだったかよくわかっていない

おそらく1981年~1984年の間ぐらい?そんな頃だったと思う

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機内

僕はジェーンとパリからロンドン行きのエールフランスの機内でくつろいでいた

一応言っておくけど僕ともう一人ジェーンのお供をしているのはケリー

ケリーは体が小さいのでジェーンの行く所にはいつもついて行くんだけど

可愛いだけであんまり役に立たないのでジェーンが出かける時は

僕がいないと役に立たない

籠僕ケリー11

飛行機の中にいる時の僕はいつものように

座席の上のボックスの中に閉じ込められて体を縮めているんだ

ケリーはというとジェーンに寄り添ってひざの上か

ジェーンが足を組む時は座席の下

隣の席が開いてるときはいすの上に僕とケリーで並ぶこともたまにはあるけど

僕はというと良くあるいわゆる籐製のバッグ(バスケット)なので

口がデカくてとっても便利で

ジェーンの持ち物をいろいろ持ってあげてるから

本当はジェーンの一番のお気に入りは僕、、、、、、、、

だけど飛行機の中ではいつも邪魔者扱い

というよりも場所がないからね

仕方がないんだけど

ケリーはスマートな体つきが自慢なだけの役たず

だけどこんな時はいつもジェーンにピッタリくっついてる

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思いで

今日はジェーンの座席の隣にフランス人の男の人が座っているから

僕はボックス暮らしってこと

アッ、、、ちなみにジェーンはこれでも有名な女優であり歌手でもあるから

飛行機の座席はファーストクラスね

でもどんな席でも手荷物は床には置けないから

ハンドバッグ以外しっかり格納しなくてはならないんだ

それに僕の中にはいつも大きなエルメスの革の手帳が入ってるから出っ張って大変なんだ

ジェーンは意外と手荒な扱いをするから大変

藤のバスケット(僕)は大きいからなんでもかんでもぶっこむんだ

バスケットの中の手帳1

女のくせしてこんなにデカいエルメスの手帳を使ってる

でもシャルルと何年か前に別れる前は

ジェーンはとてもかわいらしかった

僕はどこに行くにもジェーンとシャルルの行くところに

ついて行ったものなんだ

こんなふうにね

シャルルと

今となっては思い出になってしまったなァ~

事件というか出逢い

さてとジェーンは今でも相変わらずお茶目で落ち着きがない

40歳にもうすぐ手が届く歳だというのにね

だからこの時も彼女のオッチョコチョイで事件が起きたんだ

それも突然に、、、、、、、、

僕は狭く暗い座席の上のボックスの中ですやすやと眠っていたんだ

オーバーヘッド・ストゥエッジ

オーバーヘッド・ストレージ

オーバーヘッド・ラック

とか言うらしいけどこのボックスのことね

めんどくさいからボックスね

そんな時

突然扉が開き明るくなったと思ったら

僕は床まで真っ逆さまに落っこちた、、、、、、

飛行機が揺れたのかジェーンのミスなのかはわからない

とにかく僕はまっさかさまに床まで落ちていった

あけっぴろげの性格と同じ体形の僕のは蓋(ふた)がない

中身のものを全部はき出して

気が付いた時は床に転がっていた

ジェーンはと言うとこっちを見てぶつぶつ言ってるだけ

両手を広げてまたやっちゃったってな顔をしてる

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発展

「君にはポケットの付いたバッグが必要だね」

突然の隣の客席からの声に飽きれた顔で私の方を見たままでジェーンもつぶやく

「エルメスが作ってくれたら買うんだけどね」

反射的に嫌味のように言ったジェーンはにらみつけるように

隣の席でくつろいでいた中年のパリジャンの方に向き直った

すると待ってましたとばかりの笑顔で紳士が言った一言が

「それは名案だ!丁度良かった、僕はエルメスの人間なのであなたにポケット付きのバッグを作りましょう」

この些細な会話のやり取りが僕の歴史を変えたのだ

いや違う

エルメスバーキンの誕生の瞬間だ

作業

隣の男性はエルメスの社長のジャン=ルイ・デュマ氏

そんなのお構いもせずジェーンは食事に使う紙ナプキンに

自分の欲しいバッグのデザイン画を走り描きしだしたんだ

ジェーンは直感で何でもやっちゃうから

こんな時の行動は凄まじいスピードだ

ジャンとジェーンは互いに

自己紹介をするまもなく

あっという間の出来事で

エルメスのバーキンは誕生してしまった

エルメスのバーキンはこうして生まれたのだ

後日談

バーキン(エルメス製のバッグ)の活躍は凄まじい

見る見る間に世界中で人気物になった

それまでジェーン・バーキンと共に人生を歩んできたこの僕の存在はいかに、、、

まったく話題にもならなくなった

バーキンが生まれる前までは僕はジェーン・バーキンが取材されるたびに

必ずジェーンの横に居座り雑誌の写真などにも一緒に映っていたのが

今ではジェーンのそばにはバーキンが陣取っている

かわいそうだからついでに言うと

ケリーも僕と同じ運命でかやの外さ

だけどケリーは世界的に顔がきいてるから

ジェーンのそば以外では活躍しているけどね

何はともあれ

僕は今ではジェーンの部屋の中でエルメスのノートと一緒に

くつろいでいるよ

ジェーンが近場に出かける時は僕も相変わらずお供するけどね

今はそんな気楽な生活だよ、、、、、、

だがこれだけは言っておくよ

あの時飛行機の中で

この僕が大きな口を開けていなかったら

エルメスのバーキンはこの世に生まれてこなかったんだ

僕が世界1有名になったバッグを生んだ張本人だということさ

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追記と参考サイト

参考サイト

この物語を書くために参考にさせていただいたサイを記載しておきます

さらに文中のジェーン・バーキンがエルメスの社長のジャン=ルイ・デュマ氏と出逢った年は参考文献の記載がいろいろあるために1980年代とさせていただきました

Lifestyle Fashion: 

http://www.telegraph.co.uk/fashion/people/jane-birkin-orders-hermes-to-rename-its-birkin-bag/

ジェーン・バーキンHP
http://www.janebirkin.net/

How Jane’s Birkin bag idea took off
http://www.telegraph.co.uk/fashion/people/how-jane-birkins-hermes-bag-idea-took-off/

ジェーン・バーキン – Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%AD%E3%83%B3

追記

1981年、1983年、1984年など色々な年代が文献に記載されているために定かではありません

ご了承ください

最後までありがとうございました

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