通常の当時もののマジソンバッグはマチ幅が約17センチある、この薄型のマジソンはマチ幅約8センチと超スタイリッシュでしかも通常シルバーの光沢のあるメタルなパイピングなのだが、子の下いりっ主菜薄型のマジソンバッグは当時のファッション常識ではありえないオールブラック仕様である、川久保玲率いるコムデギャルソンの名前がまだ世に知られていない時代の奇跡のアイテムだ、しかも未使用のままの新品状態で入手した
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1970年代のバッグといえばボストンバッグが代表格である
しかも武骨なスタイリングのモノばかり
ヨーロッパの一流ブランドがデザインに優れた手提げバッグを発表すると
皆こぞってそのカッコよさにあこがれた時代である
その中で日本の中高生の間でメガ流行したアイテムがこの
マジソンスクエアガーデンバッグ
通称、マジソンバッグである
70年代の流行とマジソンバッグ
当時のファッションカテゴリ―
1970年代はまさにポップのさきがけの時代である
あらゆるモノが世界的に自由という価値観と共に解放された
まさに今までにない時代のスタートだった
そんな中で日本のモードも例外ではなく世界に流れに追い越されまいと
必死についていった時代である
当時の日本の世俗的なトレンドは
欧米の斬新な発想や文化についてゆくことができない小学生並みのものだった
そんな70年代に日本を支配していたトレンドは
ロックな匂いのするECファッション(ヨーロピアンファッション)
アメリカの古いしきたりや不良文化の名残を引きずるACファッション(アメリカントラッド)
まだそのころはJC(ジャパンカジュアル)は歴史に登場していなかった
そんな中でも当時のヨーロッパの風俗を引き継ぐEC派は少数で
大多数がAC派の古めかしいアメリカの若者的な要素を持った
そんなものが主流をしめていた時代である
僕の青春時代もそんな中で育っていったものだ
ちまたの流行ブランドは
AC派のVan(ヴァン)
EC派のJun(ジュン)
僕らはそんな2大ブランドに傾倒した奴らを
ヴァン派とかジュン派とか言いあったものだ
僕はそんな時代背景の中で平然とロンドンブーツを履いて生活していた
どちらかといえばEC派菜のだが
自分では意識の上ではヒッピー派であった
万人が持ったアイテム
そんなモードの時代の中で唯一といっていい
中高生一貫しての共通のトレンドアイテムが生まれた
それがマジソンバッグである
リーガルのローファーのマジソン
ロンドンブーツやかまぼこスニーカーにマジソン
ボタンダウンのシャツにマジソン
よれよれの着古したTシャツにマジソン
タータンチェックのスラックスにマジソン
ブーツかットのつぎはぎジーンズにマジソン
とにかくなんにでも合わせて持ち歩いた異質のアイテムだった
その持ち方はみんな示し合わせたように
おばさんが買い物かごをぶら下げて歩くような
ひじを曲げた抱え込みの態勢だ
今考えると奇妙な流行だったと思う
しかし時代は万人がマジソンバッグを受け入れた
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流行にバリエーションが出来る前のトレンド
その後80年代に近づくと様々な流行が日本にも吹き荒れて
いろいろなファッショントレンドを生みだした
川久保玲のコムデギャルソン
山本耀司のワイズ(Y’s)
ビギの菊地武雄
ニコルの松田弘光
などそうそうたるデザイナーズブランドの大塔である
その他数々の有名デザイナーが火の目を持た時代である
パリでは一生三宅、高田賢三など
日本のデザイナーが先駆けとして海外デビューした
そんなバブルの前兆ともいえる時代が訪れる前の時代に
マジソンスクエアガーデンバッグは日本に君臨したのである
のちにアニエスべーをも巻き込んだ川久保玲の代名詞
黒のファッションはまだ生まれてはいなかった
そんな時代の黒一色の黒のマジソンバッグは
まさにデザイナーズブランドの名にふさわしい
モードなアイテムだ
ソフィエスケートされていなかった時代の
ソフィエスケートされた黒鳥のような存在である
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