ブルーイグアナの夜から朝に向けての夢と幼年期の人類と幼体のイグアナと宇宙の話

目次
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人イグアナ宇宙

朝、目覚めた僕は腹の上のブルーイグアナを確認した

思わず

「まだここにいてくれたのか」

と僕の思考回路が動きだした

すると腹の上のブルーイグアナはのっそりと動きだし

僕の腹から足元に移動しだした

ゆっくりとしたの歩調のまま

僕の足をふとももからひざに向かい

さらに進み僕の足のつま先に到達するや否や

軽やかにステップして

静かに自分の住みかに入りこんでいった

ブルーイグアナの名まえはソラリス

ソラリスとはポーランドの作家である

スタニスワフ・レム

の書いた小説の

「ソラリスの陽のもとに」という作品の

惑星の名前からとったものだ

僕は夢を見ているような気持ちで

ソラリスが動く姿を黙って見つめていた

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ブルーイグアナの夜

ソラリスの動きを見つめながら僕は回想した

昨日の夜のことをだ

そういえば僕はまだ飼いだして三日目のソラリスをなんとかならそうとして

昨夜から温浴をさせたのだ

拒食のブルーイグアナは我が家に来てから

まだろくな餌を食べていない

三日目に急きょ思い立ってプラスティックのトレイにお湯を張り

そっとハンドタオルでくるんだソラリスをそこにひたした

お湯を貼ったトレイに少しだけつかったブルーイグアナは

身じろぎもせずに硬直していた

少したつと

そっと目を閉じてそのままずっと

ただそこにいた

手で持たれるのを嫌がっているまだまだ小さく人になれない子どものグリーンイグアナが黙ってお湯に浸る姿はそれだけで奇跡に思える

身体がやせ細り得体の知れない思考を持ったソラリスは修行僧のようないでたちで湯船にひたっていた

少しして目をつぶったままで動かないソラリスをタオルごとそっと抱きかかえると

僕はソラリスの飼育ケージを見て

そこに行くべきグリーンイグアナをそっと胸元に抱きかかえたままベッドに横たわった

部屋のエアコンはつけっぱなしのままだ

このままソラリスをゲージにもどさずに僕も眠りにつくつもりで、、、、、、

何度も何度も夜中に目が覚め

何度も何度も夜中に寝がえりを打ちながら

常に片手だけはそっとソラリスに手を添えていた

時には小さな体に手をかぶせ

時にはそっと撫でながら

そして寝返りを打つたびに仰向けのままの僕の体は

胸元に黙って目をつぶっている小さな青銅色の塊をいとおしく撫でていた

そんなことをしているうちも

小さなブルーイグアナは逃げようともせず身動き一つしないで黙って僕の手の中に存在していた

何度左右に寝返りを打ち

何度仰向けの姿勢で

繰り返し

繰り返し

そんな僕の行動に逆らいもせずに

このイグアナはなぜ、、、、、

このブルーイグアナはなぜ、、、、

そこにとどまったのか、、、、、、、、

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ブルーイグアナの朝

眠たかった昨夜

僕はそんなイグアナを見つめながらいつの間にか眠りにつき

繰り返しておこなった小さな体への愛撫をやめて眠りについたのである

そして目覚めた時には僕の腹の上にそっと動かずにいたイグアナの姿があったというわけだ

昨夜

ブルーイグアナのソラリスの飼育ケージは扉が開いたままで

本来そこにいるべき小さな青銅色はいなかった

昨夜

本来そこに戻るはずであった青銅色の個体は僕の体を離れて

朝になるとそっとケージに向かい自ら戻っていったことになる

まだ3日足らずしか住んでいない住みかに戻る

そんなソラリスが僕は不思議でいとおしく思った

この青銅色の小さな塊を迎えて3日足らずである

しかも拒食で

毎日無理やり捕まえて

毎日身体じゅうで抵抗している

そんなイグアナが

どんな気まぐれな心境の変化か、、、、、、

僕と一晩を共にしたことになるのだ

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幼年期の人とブルーイグアナの幼体

人は世の中の99%を知らずに1%の知識の中でこの宇宙に存在している

僕の手のひらにおさまり一晩過ごしたブルーイグアナの幼体と

ブルーイグアナをこの手で守りながら一晩過ごした宇宙の1%しか知らない幼年期の僕と

この二者はいったいどれほどの違いがあるのであろうか

しかもソラリスに惚れて迎えた片思いのこの僕と

望みもせずにこの僕に連れてこられたブルーイグアナと

どちらが立場的に優位なのだろうか

言うまでもなく

明かに僕よりも

ブルーイグアナのソラリスのほうが

立場が上である

僕が青銅色の小さな個体に思いをはせている間中

この青銅色の小さな個体のソラリスは

広い宇宙に思いをはせているような

そんなうつろな眼(まなこ)で空を見つめている

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